根本聡土地家屋調査士事務所


土地の売買と境界問題 


土地を買い求める場合の注意点はどんなところですか


 不動産を買うのは一生に何度あるでしょうか。不動産業や、不動産賃貸業になるのでなければそう何回も行うものではないでしょう。
 一生に一回か二回しかないこと、しっかりとやりたいものです。
不動産を買いたいというのは、自分の住む家がほしいとか、店がほしいとか、切実な要求によるものでしょう。

まず第一には、何が欲しいのかはっきりさせることです。

 1 住宅専用の土地を買いたいのか。  
 2 住宅とアパートの併用住宅を持ちたいのか。
 3 住宅と商店を併用したいのか。
 4 商店を持ちたいのか。
 5 製造設備をおける場所が欲しいのか。
 6 住環境をとるか、便利さを取るか。
 7 車を使うのか、使わないのか。
 8 庭が欲しいのか、それほどでもないのか。
 9 駅から遠くてもいいか、近くないとダメか。
10 広さはどうか。間取りはどうか。

 こうした要件の検討がまず必要です。こうしたことを検討する中で自分の要求をよりはっきりとつかんでください。

 次に、不動産業者さんがいくつかの物件を持ってきたとしましょう。
 さて自分の希望にかなうものはどれなのか、物件の調査をしてみましょう。
ポイントは、判断はよく調査してからということです。
 土地というのは実に不思議なもので、一度気に入ったら、恋をしたのと同じで、どうにもならなくなります。夢が先行してしまい、客観的な判断ができなくなります。後で悔やむことになります。

決定的な事項 
■ 計画道路にかかっていないか。かかっていると建て替えが
  できない。立ち退きの危険もある。

■ 市街化調整区域か。閑静なところでも、市街化調整区域で
  は一般に家が建てられない。

■ 区画整理事業の範囲に入っていないか。入っていると、変
  更することがあり、すぐに家が建てられないことがある。

■ 建築条件付きか。建築条件が土地の購入時についていると、
  建築業社の選定が束縛され、困ることが多い。建築業者と
  の打ち合わせ、信頼が必要。

重要な事項 
イ 接道状況・・・土地の接している道路の性格。公道か、私道か、通常の道路か、二項道路か、建築確認がとれるか

ロ 用途地域・・・住居専用か、商業地域か、準工業地域か、それによって建てられるものが違ってくるし、今後近隣に何が建つのかを予想することができる。
  
ハ 建坪率、容積率・・・建坪率・容積率が低いところは閑静な住宅地であり、建坪率・容積率が高いところは高度利用地域であり、土地の価額も高い傾向があるが、高度利用が可能となる。

ニ 日照問題、斜線規制、北側斜線規制(隣家の南側をあける義務)
        道路斜線規制、日照権問題があるので、屋根が大きく切り取られることがある。
  
ホ 水道本管ガス管の敷設状況  水道などは、通常敷地まできていないので、引き込むのに、かなりの費用負担が出てくるので、軽視しないで、きちんと調べる必要がある。

ヘ 土地境界   土地の境界がはっきりしていないと、購入後もめることもあるので注意すること。購入に際しては、境界確認書作成・境界標設置など、明確になることを特に注文すること。 


是非押さえておきたいこと

あ 昼と夜の変化 町の状況、住居の周囲の変化、騒音、人通り、喧噪、車の通行状況、一日の変化など。

住んでから、「こんなはずではなかった」と言わなくて住むように、夜と昼を見ること。

い 生活環境   学校、病院、買い物、などなど。

う 高圧電力線の有無 できるなら避けたい問題

え 崖地(がけ)や窪地などの不整形地整地や造成に費用がかさむことが多い


土地の売買と境界問題


土地の売買に関する境界問題は、売手と買手とでは全く異なった内容になります。
まず、土地の買手の側から見ると、事柄は単純明快です。その土地の売主に、境界の表示をしてもらえばいいのです。売主には、どこからどこまでが売却する土地かをはっきりさせる必要があります。
通常は、測量図面によって、その範囲を明確にします。その時、買い手の方としては、「隣地の所有者の境界立会確認印をお願いします。」と一言いえばいいのです。通常これは、売主の義務ですから、簡単に了解してくれ、当然答えてくれるはずです。
もしこの時、立会確認印は取れないというのであれば、隣地との境界問題で、すでに争いがあるのかもしれませんので、細心の注意が必要です。
 この境界立会及び確認・測量作業は将来の財産管理上重要なものになります。
 土地家屋調査士はこの作業に全力を注いであたっています。境界確認図面の測量者欄(作成者欄)に土地家屋調査士の名前があるか
どうかチェックするもの安心の目安です。

さて、次は売主側です。こちらは、自分の責任で、明確な範囲の土地にして渡す義務があるので、きちんと土地家屋調査士に境界確定測量をしてもらいましょう。測量の際に、境界標がわからないときは、隣地の所有者の立会いを得て、境界標を入れ、確認しましょう。隣接地の所有者への立会依頼や調整・確認印の受領などの作業は土地家屋調査士が責任を持って代行いたします。安心してお任せてください。

これで当該土地の境界は、境界標・境界鋲・境界杭によって、明らかになります。現在ほとんどの土地には、何らかの形で、こうした境界標があります。古いものでも、おおきな石があり、その石が境界を示していることがあります。もし見当たらないとしたら境界標が亡失している可能性があります。この場合は、土地家屋調査士にご相談くだされば境界標を復元設置することができます。

人の記憶は曖昧なもので、境界標がないと言っていても、実際に探してみるとかなり深く土地を掘り起こして、その奥深くにあるということがあります。これは、低い土地に土盛りをして、地盤を改良した際、境界標まで一緒に埋めてしまうということが多いからです。低い土地を周り並にするだけなので、ただ、土を盛るという作業をしてしまうからでしょう。
境界標の上に塀をたてることも多くあります。その時は、塀の上にもう一つ境界鋲を打つなどしますが、それができないときは、境界をまたぐ形で、塀を作ります。塀の下を掘ってみると、一部分がかけていて、変な基礎になっていれば、恐らくそれが、境界の痕跡でしょう。慎重に探してみてください。

次に、土地所有者の場合は当該土地の購入の際、契約書添付の測量図、境界立会確認図面(測量図に境界の他の所有者の確認印のあるもの)、重要事項説明書、といった書類があるのが一般で、それらによってかなり明確になります。
ところが、昔の売買などで、測量図もないとか、立会図もないというものもあります。無くしてしまったのか、元々無いものなのかは定かでありません。両隣にご相談して、測量図などを持っているかどうか、確認されるのも忘れずに。



   競売物件は安全か 土地購入のポイント


ここでは不動産の中でも、土地の競売に関連することを検討します。

 裁判所で行われる競売の物件は、かつては、競売の専門業者しか入れない特殊な世界でした。しかし、今では裁判所の競売は、一般市民が入れるように、広く公開され、安全が確保されています。

 しかし、ここで注意したいのは、競売物件のすべてが、土地境界についても安全が確保されているわけではないということです。
 残念ながら、裁判所では、土地境界についての調査は行われていないのが現状です。ご自分で使用することを予定して入札する方は特に注意したいものです。
 競売が何度か流れている物件で、条件はいいがなぜという時がありますが、隣接地や隣接境界に問題がある場合も考えられますので、このあたりもよくチェックしてください。
 財産管理上、落札後、境界確認作業と境界確認書を作成する必要がある場合、別途費用がかかることを覚えておいてください。

競売物件の内容は、裁判所で閲覧できるようになっています。どのような競売物件があるかは、新聞広告も出ますし、不動産の雑誌にも出るようになっています。その記事を見れば、競売事件の事件番号が出ていますので、その番号をメモして、所定の裁判所の競売記録の閲覧室に行け担当官が見せてくれることになっています。 

そこにおいてある競売の記録は、執行官が現地を確認し、その報告書を作成して、さらに競売の最低競売価格を決定するための不動産鑑定士による厳格な調査、評価・鑑定が行われてた結果が記載されています。内容に関しては、裁判所による一応の調査が終わっているということができます。    
 
 競売物件は、まず、裁判所内の競売物件の閲覧所に出向いて、競売の書類をしっかりと見ることから始めてください。隅から隅までしっかり見てください。 
 その上で、さらに、自ら納得行くまでの調査を行ってください。自分の使用方法や、資金繰りなどから、可能かどうか検討します。
 
 競売物件は、入札時点で、最低競売価格の2割程度の金額を振り込み、落札になった後、然るべき期間内に、残金全額を現金で振り込むことになります。従って、資金の準備が何より大切です。  

 又、居住者がいるときには、あなたが落札して、あなた自身で居住者に対し明け渡しを求めることになり、多少の面倒もありますが、専門の弁護士などにたのめば、時間的にも費用的にもそうはかからず、比較的簡単に確保できるようです。

競売記録に次の事項があると思われますが、ないこともあるので、しっかり検討しましょう。

重要な事項 

■ 計画道路にかかっていないか。かかっていると建て替えができない。立ち退きの危険もある。

■ 市街化調整区域か。閑静なところでも、市街化調整区域では一般に家が建てられない。

■ 区画整理事業の範囲に入っていないか。入っていると、変更することがあり、すぐに家が建てられないことが多い。

■ 建築条件付きか。建築条件が土地の購入時についていると、建築業社の選定が束縛され、困ることが多い。建築業者との打ち合わせ、信頼が必要。

その他検討すべき 

イ 接道状況・・・土地の接している道路の性格。公道か、私道か、通常の道路か、二項道路か、建築確認がとれるか
ロ 用途地域・・・住居専用か、商業地域か、準工業地域か、それによって建てられるものが違ってくるし、今後近隣に何が建つのかを予想することができる。  
ハ 建坪率、容積率・・・建坪率・容積率が低いところは閑静な住宅地であり、建坪率・容積率が高いところは高度利用地域であり、土地の価額も高い傾向があるが、高度利用が可能となる。
ニ 日照問題、斜線規制 北側斜線規制(隣家の南側をあける義務)道路斜線規制、日照権問題があるので、屋根が大きく切り取られることがある。  
ホ 水道本管ガス管の敷設状況 水道などは、通常敷地まできていないので、引き込むのに、かなりの費用負担が出てくるので、軽視しないで、きちんと調べる必要がある。
ヘ 土地境界   土地の境界がはっきりしていないと、落札後もめることもあるので注意すること。入札に際しては、境界標などで境界が明確なことを特に確認すること。 


是非押さえておきたいこと

あ 昼と夜の変化 町の状況、住居の周囲の変化、騒音、人通り、喧噪、車の通行状況、一日の変化など。住んでから、「こんなはずではなかった」と言わなくて住むように、夜と昼を見ること。

い 生活環境   学校、病院、買い物、などなど。

う 高圧電力線の有無 できるなら避けたい問題

え 崖地(がけ)や窪地などの不整形地、整地や造成に費用がかさむことが多い

   牧野総合法律事務所弁護士法人サイト様から引用し、文章を加除したものです。引用原文も合わせて参照ください。

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